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"ストレッチは障害予防に効果なし" ?


2013/05/25 11:40

http://www.biomechfit.com/2012/09/28/stretching-science-part-1-injury-prevention

以下訳文を紹介します。

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ストレッチの科学パート1:障害予防
 
障害予防のために運動前のストレッチを習慣的に行う方は多いでしょう。しかしながら数々の研究によって、ストレッチの障害予防に対する効果が疑問視されています。その一方で他のトレーニングやケアの影響を全く無視するように、”ストレッチをすると怪我をしない”と主張する方もいます。もしこの記事を読んで疑問が湧いたとしても、皆さんは障害予防を目的としたストレッチだけに時間と労力を使い続けますか?それは自身でご判断ください。
 
ごちゃ混ぜでは分からない
 
2005年にMandelbaunmらが発表した論文では、女子サッカー選手へ筋神経系と固定受容器を刺激するウォームアップを処方すると、劇的にACL(前十字靭帯)損傷が減ったという結果が出た。このウォームアップメニューにはストレッチも含まれていましたが、他にもストレングス・プライオメトリクストレーニングや競技に特化したアジリティードリルも採用された。ここで疑問が生じる”障害率の劇的な低下により高く貢献したのはストレッチメニューなのか、それとも他の要素なのか?”もしストレッチが唯一のプログラム内容でないならば、この研究を通じて私達はストレッチの障害予防に対する有用性についての結論を出すことはできない。では次の研究ではどうでしょうか?
 
ハムストリングのストレッチは、ハムストリングへの障害を予防しない
 
2006年にArnasonらがサッカーヨーロッパリーグのプロ選手を被験者とした研究では、ハムストリング柔軟性向上プログラムを受けた者とそうでない者を比較しても、ハムストリング筋挫傷の発生率には全く影響しないという結果が出た。どうしてこのような結果になったのでしょう?ストレッチをすることでハムストリングの伸張性は向上するはずですよね?ですがArnasonらは”ほとんどのハムストリング挫傷は、筋が最大まで伸張しない全力疾走時に起こる”と説明している。もしこれが事実であれば、ストレッチの有用性はどのくらいあるのでしょうか?ほとんどのチームスポーツに見られる特有の動作には、実際のところ特別な柔軟性な必要ないのです。これを念頭に置いて考えると、私達はストレッチの効果に以前と同程度の期待をするべきではないのです。次にご紹介する研究がそれを物語っています。
 
ストレッチはランナーに起こる怪我のリスクを低減しない
 
PerelesらSimon Fraser Universityの研究グループによると、3ヶ月の実験期間で2700人の被験者がランニング前の習慣的なストレッチを実施・中止または不採用したところ、障害予防の効果は確認されなかった。また障害発生率上昇の要因として、年齢、体重、トレーニングの強度と障害歴が挙げられたが、柔軟性不足やストレッチメニューの不採用といったものは関係しなかった。
 
さらに習慣的なストレッチをしていた被験者が期間中だけ中止をすると、軽度の障害を訴える確率が上昇した。この結果だけに注目すると、ストレッチをしないことが怪我につながったと言えるかもしれない。しかし、ストレッチ実施・不採用の被験者の確率には変化がなかった。加えて怪我のためランニングを1週間以上中止した被験者の障害発生率を、ストレッチ実施と中止・不採用グループ間で比較しても違いはなかった。
 
ストレッチは障害予防の役に立たない
 
Yengらが2011年に発表した、5130人を対象にした下肢軟部組織障害予防プログラムの検証実験によると:
1.ランナーが下肢の主要な筋をストレッチしても、障害発生率は低下しなかった。
2.毎日3回ハムストリングのストレッチを行なっても、障害予防に目立った効果は確認されなかった。
3.トレーニング前の下腿三頭筋ストレッチは、障害発生率の低下に影響しなかった。
4.習慣的なストレッチの障害予防への効果は薄い。
 
ここまで読み進めると、ストレッチの障害予防に対する明確な効果が実証されていないと分かるでしょう。
 
過度の柔軟性は障害発生のリスクを向上させる
 
ストレッチは主に筋の長さへ影響を及ぼすとされているが、靱帯など他の結合組織にも永続的な構造変化をもたらす場合もある。ある組織への集中的なストレッチによって、動作に必要な関節可動域を得ることができるかもしれないが、逆に関節安定性を低下させてしまうこともある。Stewartらによるラグビー選手の靱帯と関節の緩み具合を調べた研究では、過度の可動域を持つ選手はそうでない選手に比べて、2.5倍障害の発生率が高いと報告された。さらにStewartらは、”両極いずれかの柔軟性を持つ選手は怪我のリスクが向上する”と述べている。関節可動性改善を目的にした柔軟性向上がリスク低下に貢献することは明確である。しかし激しいコンタクトを要求される競技においては、過度な可動性がリスク向上につながることも考えられる。
 
より効果的な障害予防法
 
”ハードではなくスマートに鍛えよ”という言葉がある。もちろん”ハードトレーニングを避け、楽な方法を選べ”という意味ではない。身体の許容範囲を認識せずに長時間のハードトレーニングを継続していると、疲労が蓄積し怪我が起こりやすくなる。逆に漸進的なエクササイズ強度と時間の管理は、徐々にあなたの身体と脳がそれに徐々に適応できるよう仕向けてくれる。


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本文にある「ストレッチ」というのは
「スタティック(=静的)ストレッチ」の事を意味していると思われます。

ストレッチには他にも
 
・ダイナミック(=動的)ストレッチ
・バリスティックストレッチ
・PNFストレッチ
・クライオストレッチ

があるのですが、この論文は、これらに関する視点が抜けてますね。


 


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