https://www.facebook.com/trsinfo さんの記事を引用させていただきます。
ドイツのドキュメンタリー番組に英語の字幕が付いた動画のご紹介です。
テーマは”腰痛と筋膜について”です。
以下、内容の要約です。
【冒頭】
現状では、腰痛全体の約20%でしか明確な原因は把握されておらず、
残りの80%に関しては医師でさえも原因はよくわからないとしている。
従来の映像化機器では、骨、神経や臓器の変形や異常は映像化されるが、
結合組織(特に筋膜は)が鮮明に映し出されることは非常に少なかった。
【1:08】 四角で囲まれた部分の白い層が腰部の筋膜
【1:55~2:11】 ロルファー Dr. Robert Schleipのお話
患者にロルフィングの施術を行うと、症状が改善することがほとんどではあるが、
なぜそうなるかと聞かれると、説明するための根拠は乏しい。
【2:43~5:35】 筋幕に関する研究
体にストレスが生じた際にある伝達物質が体内で生成され、
筋肉がその物質に反応して収縮することは知られていた。
最近の研究では、それに対して筋膜も筋肉から全く独立して収縮を起こすことが明らかになった。
さらに、筋膜には筋繊維以上に神経終末や神経伝達物質受容体が集まっているので、
痛みやその他異常に敏感である。
健康な腕(左側)と6週間ギプスを装着されていた腕(右側)から採取された筋膜を比べている。
筋膜の縮み、裂けや癒着が筋膜自体の伸縮性や機能を低下させたり、
不快感や痛みを感じさせて、腰痛の原因となっている可能性もある。
【6:58~8:41】 筋膜にはまだまだ分からない事が多い…
そもそも解剖の教科書を見ても、結合組織(特に筋膜)が鮮明に確認できる写真や絵がほとんどないので、
筋膜に注目して勉強をすることはほとんどなかった。
2007年にボストンで初めて開催された、
International Fascia Congress(国際筋膜学術大会)がきっかけで世界各地の専門家が結集し、
筋膜に関する多方面からの本格的な研究が始まった。
【8:42~12:38】 筋膜の役目
筋膜に含まれている水分が全身にある細胞同士の潤滑油として働いている。
例えば、筋繊維は一本つづ筋膜で包まれており、筋膜がないと正常な筋収縮は起こらない。
結合組織の一種であり、各器官をあるべき場所にとどめてくれるネットのようなもの。
免疫システムの一部で、細胞の代謝物や細菌を除去する免疫細胞が含まれている。
【12:58~13:50】 腰痛、筋膜とうつ病の関連性
身体にストレスが生じた際に体内で生成される伝達物質は、うつ病や睡眠障害を持つ方の体内でも多く、
ある研究ではうつ病の人はそうでない人に比べて、腰痛を持っている率が約二倍になるとも報告されている。
【14:06~18:17】 動物はすごい!
カモシカ、サル、カエル、カンガルー、カメレオンなど多くの動物が人間より遥かに高く・素早く運動ができるのは、
筋膜の特性である伸張性や弾力性を最大限に生かしているからである。
【19:55~24:18】 ドイツサッカーナショナルチームPT、Klaus Eder氏のお話
“You have to talk to the tissue.”
”あなたは、身体の組織に語りかけなければならない...”
“You have to play with it.”
”あなたは、身体の組織と戯れなければならない...”
“It melts under my hands.”
身体の組織が私の手の下で溶けてゆくのです...”
【25:28~】 他の手法と筋膜について
紹介されている手法にそれぞれ違いはあるが、すべて筋膜に何かしらのアプローチをしている。
針治療で用いられる経絡図と筋膜に異常が起こりやすい箇所は約80%一致
していた。
ヨガの効用として患部の痛み軽減が挙げられるが、直接の原因は呼吸や瞑想によるものではなく、
各種ポーズによる全身のストレッチ効果である可能性が指摘された。
腹部に瘢痕組織のあるマウスにマッサージを一定期間継続すると、瘢痕組織の数が減少したと報告されている。
【まとめ】
筋膜とトリガーポイントは、着ているシャツでおおまかな説明ができます。
シャツをつまんでひねると、シワができる→筋膜がストレスにさらされると、短縮したり癒着したりする
変形したところがトリガーポイントになりますが、その部分だけではなく周りの組織にも何らかの変形が起こるので、
筋緊張や関連痛の原因になることもある。
”The body is not a fixed framework, but a dynamic system, flexible and interconnected by elastic bands and springs..fascia.”
”身体は鉄筋のように固定された枠組みではなく、輪ゴムやバネのような筋膜で構成された、全体が柔軟でつながりのあるフレームワークである。”
これは、テンセグリティー(Tensegrity:張力の統合)という概念です。
例えばおおまかに人体をテントに見立てると、骨がポール、シートが筋膜でロープが筋肉である考えられます。
筋肉や他の結合組織が、多方向から骨を引っ張り合うことで骨格(フレームワーク)が成り立ちます。
軟部組織と筋肉だけではフレームワークが完成しないので、もちろん骨も重要です。
私達は筋膜のお陰で健康でいられる”と言えるのではないでしょうか...
出典:Fascial research German spoken/English subtitles
https://www.facebook.com/trsinfo
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他院ではここまで丁寧に触診しないですよ。
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