ホットパックの電源周辺が原因と見られる火災で、
10人もの方が命を落とすといういたましい事件が先日起きました。
ホットパックというのは高温(80度前後)のお湯の中に、布で覆われたゲル状のものを入れているものです。
使う時はお湯の中からパックを取り出し、何枚ものタオルに包んで患部に乗せます。
お湯に保つために、お湯の中にはヒーターがあります。巨大な電気ポッドのようなものです。
湯温を希望の温度にセットしておけば、サーモスタットの働きでその温度を保つ事ができるのです。
今回の事故のように老朽化する事を考えると、全国の整形外科は決して他人事ではないはずです。
私が以前勤めていた整形外科でも使っていました。
タイマー設定により、外来終了時刻にオフになり、外来開始1時間前ほどにオンになるようにしていました。
24時間電源がオンの状態ではありません。
ホットパックの特徴は「湿熱」なので、皮膚の下数センチまで熱が届きます。
(参考:赤外線(例:コタツ)やドライヤーなどのような乾熱(乾いた熱)は皮下数ミリしか届きません。)
腰・首・下肢(大腿部/下腿部)・上肢(上腕/前腕)などほぼ全身に使えます。
人工関節にして体内に金属がある場合、ペースメーカーを入れている場合などは
安全性を考え、ホットパックを使います。
当院で用いているホットパックは、
家庭で使う電気毛布のように、コンセントでつながっているタイプの物です。
使う時だけコンセントにつなぎ、温度を設定する物です。
お湯には浸かっていませんが、湿熱タイプの物なので、電気毛布と異なり深い部位まで到達します。
背中やお腹に乗せて使うようにしています。
慢性腰痛の方はとりあえず温めるだけでも相当楽になりますよ。